2008/3/4(火)キコローニ

「大変や、異界の、異界の‥‥!」

異界の力の影響で、アデン世界のモンスターの体内に【異界の欠片】が生成されてたんやそうです。

その欠片のエネルギーは、あのラスタバドでの謎の爆発と同じやったんやて。

ラスタバドでのあの爆発は、噂では異界の扉が開かれて、異界の王ギルタスをこの世界に呼び出してしまったときのものやとか。

ラスタバドのダンテス王はその呪文を唱えたことで死に、他のダークエルフとともに魂まで呪われた存在となってさまよっているんやと‥‥。

異界の王、ギルタス

全てのものの死を願う破壊の王‥‥。

聞くだけで恐ろしいその存在が、攻めてくるかもしれへんねんて!

今回の異界のエネルギーが集結して、異界がそのギルタスのいる【ラスタバドの聖地】を引き寄せてるんやって!

えらいこっちゃ。

だって、異界はアデンに近づいてきていて、異界の精霊たちがアデンに入ってこようとしてる。

それをエルフの森の守護者たちが必死で封じてるんやもん。

もし、【ラスタバドの聖地】が異界を通じてアデンに近づいたら‥‥。

どんな恐ろしいことになるか、わからへん。

どうしよう。どうしたらええねんやろ。

とにかく、アデンの勇者はんたちがギルタスを倒すために異界から【ラスタバドの聖地】へと向かってるんやって。

もちろん、シス姉さんも凄い勢いで(嬉しそうに)飛んで行きはったん。

‥‥‥‥。

うちには、きっと何もできひんけど、行ってもいいやろか‥‥。

だって、あの【ラスタバドの聖地】に行ける‥‥絶好の機会やて‥‥アデンの危機やのに、そう考えるんは、やっぱりうち、あかんやろか。

――その頃、嬉しそうに飛んでいったネタプリは。

さあ、アデンの危機だ危機だ危機ですよコンチクショー!!

愛馬しらゆき号にさっそうとまたがり、異界の地から【ラスタバドの聖地】とやらに乗り込んだ私は、

超頼もしい仲間とともに、ギルタスがいるという場所へと向かいました。

少し進むと、岩場の間の広い荒地を、人々が遠巻きに取り囲んでいました。

その向こうから、ひっきりなしに聞こえてくる悲鳴と断末魔、そして何か巨大なものの動く音‥‥。

この先に、いるのですね、そのギルタスとやらが。

+6エルブンスピアをスラリと掲げ、人々の間を割って私はなんの迷いもなく突撃しました。

倒れた戦士たちの間を駆け抜け、愛馬の背から前を見た私は、一瞬、奇妙な模様のある岩壁に向かっているのかと思いました。

その岩壁の上に、世にも恐ろしい顔が叫び声をあげているのを見たとき、

もうぶっちゃけ

帰って寝たい

と思いました。

――なに、アレ(泣)。

その巨大な上半身、大岩のごとき腕が動いて天井に突き上げられたかと思うと

目にも止まらぬ速さで地面を打ちつけます。

その拳から、地面に赤々と地割れと衝撃が走り、必死に耐える戦士たちも次々と地に伏して行く‥‥。

私が感じたのは、はっきりと恐怖でした。

アンタラスにも踏まれた。パプリオンにも踏まれました。ヴァラカスにだってリンドビオルにだって、恐れることなく突撃した私ですが、

‥‥あのは怖すぎるッ。


イヤー(泣)


イヤアアアアアア


ギャアアアアアア

思わず愛馬とともに固まってしまいました。

あの恐ろしい顔から目が離せません。

しかし、ここまで来たら戦わねば。

しらゆき号とともにヨロヨロとギルタスに駆け寄った私は、必死で槍を繰り出しました。


えいやぁ!

一太刀、かろうじて浴びせて、そのあとは気が遠くなりました。

周囲の方々から、ハートマークが上がっているのは、別に私の美しい死に姿の魅力のせいではありません。たぶん。

近くで、クリエスさんやファナンさんの悲鳴も聞こえた気がします。

そのとき、離れた場所から少林寺拳士2さんの声が聞こえてきました。

おお、助けに来て下さっ―

ぐっはぁ。空中庭園(リアルでも)最強の拳士さんですら、瞬殺でした‥‥。

あきらめそうになったとき、復活してすぐに戦闘態勢に入り、果敢にもギルタスに立ち向かうクリエスさんの姿が見えました。

そうだ、あきらめちゃだめだ!

どんなに怖い顔だって、顔だって、


どーん

やっぱりイヤアアアアアアア(泣)。

そのとき、すぐ近くでりんりえった姫のお声が聞こえた気がしました。

おお、果敢にもりんりえった姫がギルタスと戦っておられる!?

私は思わず応援の声を上げました。

すごい近くで死んでたーーー!!!

ああ、いったい誰がこの恐ろしい顔を止められるというのでしょう‥‥。

たぶん、恐顔と書いてギルタスと読むんです。

この恐顔がアデンに攻めてきたら‥‥。

私は絶望の中に堕ちていくのを感じていました。

(続く)