ボウリングオフ・スペシャル更新その6
※当日、プリントして配布したものを
一部改訂いたしました。
2006/9/17(日)キコローニ
‥‥ついに開かれた異界の扉。
思わず覗き込むうちと姉さんたちを、心配そうなタラス長老はんがさえぎります。
「よいか、すでにSOSの念は異界へ届いた。おまえたちがわざわざ異界へ行かずとも、かの国の冒険者たちが、我らの代わりに戦ってくれるであろう。魔法の球も送り込んである。何度も言うように、おまえたちアデン世界の者が異界へ行っても、何もできぬし、異界の者には姿すら見えぬ。声も聞こえぬ。それでも行くのか」
だってせっかく開いたんだし、異界の冒険者さんたちの活躍も見たいし。
タラス、ぱいなっぷるって知ってるか。ぶどう、いちご、もも、すいか。さっき異界のヤツが言っていた。異界の果物だそうだ。そこをどいて私を通せ。早く通せ。すぐ通せコノ。
‥‥とにかく、見届けて参りましょう。誰かが直接降り立って確認せねば、この扉越しでは事態の推移がわかりません。
ううむ、と唸るタラス長老はんを、ガルディナ姉さんがやんわりとなだめている間に、アン姉さんが、扉に駆け込んでしまいましたん。
そのあとを追って、シス姉さんもうちも、扉の光の中に飛び込んだんや。
‥‥テレポートのときみたいに、一瞬足が宙を駆けて、ふわりと地面に着地。
それから周囲の白い光が薄れて、視界が開けて‥‥うちの目に飛び込んで来たんは、灰色の地面と、垂れ込めた雲に覆われた空、幾つもの天を突くような巨大な建物。
そして目の前にそびえ立つんは、仲間たちの魂がとらわれているという、謎の黄色い塔。
‥‥ここでは、わたくしたちの姿は異界の方々には見えず、声をかけることもできません。危険があっても助けてもらうこともできませんからくれぐれも注意して進みましょう。
‥‥ガルディナ姉さんの言葉を聞いて、「はい」とうなづいたんは、うちだけやった。
アン姉さんは何かに取り憑かれたような表情で、「偵察してくる」とつぶやいてあっという間に反対方向へ走り出してしもぅたし、シス姉さんは、もう黄色い塔の入口らしい場所まで、軽やかにスキップしたはる。
ため息をついたガルディナ姉さんとうちは、シス姉さんのあとを追って入口のほうへと進みましたん。
アン姉さんは大丈夫やろか、って振り向いたけど、もう姿は見えへんかった。
キコ、あれをご覧なさい。あそこに集まっているのは、先ほどわたくしたちの念に答えて下さった冒険者の皆さんではないでしょうか?
え?
‥‥あ、ほんまや! いっぱい集まったはる。 あ、中に入るみたい。ついて行っても大丈夫やろか。
うなづいた二人の姉さんと一緒に、うちも中へ。
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